透析予防とは

腎臓は血液を濾過して老廃物を尿として排出します。
腎臓の働きが低下してくると血液中に不要なものが溜まり、逆に必要なものが尿に混ざって排出されてしまいます。
(分子量が小さいタンパク(アルブミンなど)が尿から出るといわゆるタンパク尿となります)。

腎機能低下(糸球体濾過量の低下)もしくはタンパク尿が出ている状態が3ヶ月以上続くと、慢性腎臓病(CKD)と定義します。
CKDになると、腎機能を回復することはなかなか困難であり、病期が進むと透析、心血管死、全死亡リスクが高くなり、予後不良となります。

腎機能障害となるリスク因子は年齢、血尿、タンパク尿、高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙です。
そのため、腎臓の予後を改善するためには早期の治療介入(生活習慣病の是正)を行い、病期の進行をなるべく遅らせます。
特に、糖尿病や高血圧のコントロールは重要で、腎臓に良い影響を与えるというエビデンスのある薬を選択することになります。

最近では、血中カリウムの濃度上昇に注意しながら、非ステロイド型のミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)を使用する治療が注目されています。